百年塗料
140年もの歴史を誇る、ドイツのシリケート塗料は、ル・コルビュジエ、ヴァルター・グロピウス、ザハ・ハディドといった、近代建築の巨匠の建築にも採用されてきました。スイス・シュヴィーツの市庁舎は、オリジナルが塗装されたのが1891年。部分的な補修は行っているものの大部分は当時のままです。塗装面の状態が非常によく、発色が鮮やかで、百年以上の長い歳月を経ている様には見えません。シリケート塗料で施工された建物は現在もその美しさを保っており、シリケート塗料は別名「百年塗料」と呼ばれています。
シリケート塗料
超長期耐候性 19世紀に発明され、進化を重ねた水ガラス(ケイ酸カリウム)塗料です。主にコンクリートやモルタルなど鉱物系下地に使用可能で、一般的な樹脂系塗料のように塗膜を張るのではなく、染み込む(含浸)タイプの無機塗料ため、経年劣化による剥がれや膨れがなく、紫外線の影響を色素に及ぼすこともありません。樹脂系塗料に比べ、光線が水ガラスを通して色素に届くため、発色が抜群に美しいのが特徴です。
透湿性が高く、壁内に湿気が留まらせないため劣化を抑えることができます。また、強アルカリ性のため、カビなどの微生物による汚れやシミにも強く、綺麗な外観を保ちます。
安全で環境に優しい シリケート塗料は天然の鉱物原料から作られているため、不燃性でもあり火災発生時にも有毒ガスが発生しません。溶剤や防腐剤も含んでおらず無臭のため内壁にも使用可能です。
耐久性が高く退色しにくいため、再塗装の回数を減らすことにより、持続可能な社会の実現に貢献できる環境負荷の少ない塗料となります。
塗料別比較
メリット
シリケート塗料は耐候性を始めとした性能が高いだけでなく超長期耐久性があります。ヨーロッパでの使用実績として30〜50年経過した外壁にも劣化がみられません。
※地震等で下地のコンクリートやモルタル面にヒビが入ったり削れてしまった場合は下地の補修及び再塗装が必要となります。
デメリット
一般的な外壁塗装に使われるシリコン塗装等と比較すると塗料の価格は高くなります。
しかし、外壁塗装工事全体の費用において塗料代は20〜30%程度ですので、大幅なコスト増にはなりません。
将来、再塗装の際に発生する工事費用や近隣への配慮、壁面の褪色を考慮するとシリケート塗料は大きなメリットがあります。